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踊り子ロボの偽島行軍模様。
            
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この世は一つの世界だけで構成されてはおらず、
次元、時空の壁を越えれば、無数の世界が存在する。

世界『アシュフェイルド』もその一つ。
魔法と、科学の技術が融合し、人々の生活を豊かにしている、そんな世界。

そしてたった一つの力があらゆる奇跡を生んで人を助け、
たった一つの力があらゆる呪いとなって人を蝕み、
たった一つの力が人を人ならぬ何かに変えてしまう、そんな世界。


その力とは、

―――Tiaya quesna zwinsy oz sai.(人の想いは何より強い)―――

たったそれだけの言葉で言い表される。


その世界には6つの大陸があるが、元々は一つだった。
はるか昔、その巨大な大陸を統べていた文明が崩壊するまでは。


アシュフェイルドの各地には数多くの遺跡がある。
6000年ほど前に造られたとみられる施設の跡だ。
その時代、魔法と科学を完全に融合させる技術を手に入れ、
その力をもってあらゆる生物を屈服させ、
完全なる人工知能を開発し、従属させ、
合成により新たなる生命を生み出し、
あらゆる病・怪我による死の恐怖から解放された文明が存在した。


それを現在人は『古代魔科学文明』と呼ぶ。
現在の魔科学はその遺物を研究・解析した結果生まれた産物であり、
その技術の四分の一も追いついていないと言われる。


その文明の黎明期。
元々は魔法師や職人が多かっただけの一都市でしかなかった場所。
そんな場所に何があったのか、なぜなのかは全く分かっていないが、
恐るべき異形の神々がコンタクトをとってきたとされる。

即ち、
門にして鍵/Yog-sothoth
不浄の父にして母/Abhoth
始原であり終末/Ubbo-Sathla
混沌/Nyarlathotep
夢の主/Cthulhu
黄衣の王/Hastur
怠惰なる賢者/Tsathoggua
天を統べる者/Ithaqua
魔眼の君主/Gathanothoa
静寂の者/Zuchequon

といった神々である。

彼らの意図がどこにあったかは不明である。
恐らくは単なる暇つぶしであったのではないか。
彼らは人間が気紛れに蟻の群れに向かって舐めていた飴玉を落とすように、
人間に魔術と科学の知識を与えたのである。

神々の多くはすぐに興味を失い、
極稀に彼らを楽しませるような者が出現した場合を除いて、
人に干渉する事を止めてしまった。

だが人々は彼らを偉大なる神々として信仰し、
彼らから授かった大いなる知識と技術をもって、
その勢力を急速に拡大したのである。


その文明の黄金時代。
魔科学文明の恩恵に与れなかった辺境の民は『蛮族』として奴隷扱いされ、
数多くの新種動物、即ち怪物が造られては都市の外に放たれた。
辺境の民が必死になって怪物から逃れ、戦う姿をスクリーンに映し、
高笑いしながら酒と料理を楽しんだ。
あらゆる仕事は従属する人工知能、即ちロボットが行うようになった。
ロボットは娯楽や生み出される技術、富などを人間に提供し、
人間はその上に座してただただ奉仕される存在になっていったのである。


ロボットを生産する技術集団は、
より優れ、より人間に近い姿のものを生み出そうとした。
後れをとった集団は他の集団に飲み込まれ、
やがて6つの企業となってその分野を独占した。


・軍事用人工知能開発/ギネルヴィア社
・日用奉仕及び娯楽向き人工知能開発/ガルフルード社
・日用奉仕及び医療用人工知能開発/エフェルセント社
・軍事用及び生産ライン向き人工知能開発/カーレイル社
・娯楽用及び軍事用人工知能開発/ヴァッハヘルト社
・医療並び生産労働用人工知能開発/オープス社


その中でもギネルヴィア社とガルフルード社はその性能においてトップを争い、
社員や生み出されるロボット同士に至るまで、ライバルとして憎悪し合う関係であった。


ロボットたちは魔力電池と呼ばれるものを動力として、
陽光、月光、大気、地熱、人間同様の食料摂取等々から魔力を摂取し、
半永久的に活動するのである。
Yog-sothothから授かったとされるその技術は魔力を摂取し続ける限り稼動し、
その完成と同時に外殻を包む時が停止するため、
いかなる手段をもってしても破壊できない心臓部として、
『永遠動力』とも呼ばれた。
この技術はなぜかロボットの心臓部にしか使われていない。

ロボットはいかにもロボットと言えるようなメタリックボディのものだけでなく、
生体ユニットを使用し、骨格や内臓部分などを除けば人間同様の肉を持つものも生まれた。
ロボットたちは人間同様の『心』まで持っていたが、
いかに不平不満があろうと、人間に逆らえぬようプログラムがされていた。
彼らには4つの掟があったのである。

・ロボットは人間に逆らってはならない。
・ロボットは人間を守らねばならない。
・ロボットは人間のあらゆる生活を豊かにすることを怠ってはならない。
・ロボットは先に生まれたロボットを尊重し、従わねばならない。

我々が知る三原則と違い、
ロボットがロボット自身の身を守る事は含まれていない。
何かあっても代替品があるという感覚が人間にあったため、
ロボットは永遠に稼動しようとなんであろうとただの消耗品に過ぎなかったのである。
事実、新製品が出るたびに旧式は廃棄されていった。

ロボットは基本的にそれぞれの専門分野に特化しており、
それ以外のことをさせるとあまり芳しい結果を出さなかった。
怠惰なる賢者Tsathogguaから得た人工知能の知識・技術では、
なぜかそういう副作用が発生したのである。


強力な結界と、強大な兵器を有するロボット、従属する怪物に守られた中央は、
自由を求め幾度と無く蜂起する辺境の民のことなど全くの埒外であった。
彼らにとって戦争や戦いというものは自分たちで行なうものではなく、
軍事ロボット同士、あるいは護衛ロボット同士やロボットと怪物、
辺境の民と怪物、辺境の民とロボットといったように、
見下していた存在同士が行なうことであり、自分たちはそれを楽しむといった、
娯楽以外のなにものでもありはしなかったのである。


―――Neel lusya iysdia est xaiesdiaky ca ksylsya juno ?(我々の春を終らせられる者など存在するか?)―――

ーーーNa ig ksyls Bessna na ig bess.(我々ではない者など人間ではない)ーーー

ーーーNa ig bess iyslsna owl xenodia jya ksyls.(人ではないモノは我々のために死ぬべきである)
ーーー


当時、中央議会の議員の一人が演説の中で口にした言葉である。
彼らの傲慢はどこまでも大きくなっていった。


人間は快楽に耽り、怠惰になっていった。
すべてはロボットが行なうからである。
新技術の開発も、生産活動も何もかも。
ロボットは24時間、ほぼ休み無く活動を強いられた。
人間はただ遊び、次世代である子供を生み出すだけの存在になっていった。
快楽を求めるだけの交わりは、子供をつくれぬロボットに求めるようになったほどである。


―――Ia idianls,Neel jya sai ksylsna boriadiads faluc?(ああ神よ、なぜ私たちは心など持たされたのですか?)―――

―――Raza ksylsna na boriazys iha faluc,Ksylsna na igdys desolosy sia tes!(心さえ無ければ、こんなに苦しまなくてよかったのに!)―――


この時期に、あるロボットはそう書き残して自壊したという。
それほどまでにロボットに対する扱いは酷いものであった。


もちろん、中にはそんな人間の生命活動に警鐘を鳴らす者もいたし、
ロボットたちを家族同様大事に扱う者もいたし、
辺境の民への仕打ちに心を痛める者もいれば、
ロボットに混じって労働などの活動に身を置く者もいたが、
世間は彼らを変わり者、馬鹿者などと呼んで嘲笑った。



そんな時代に、彼女は起動されたのである。



この物語の主人公であり、
この遺跡を探索しているF=G=F(Fenrei=Gulfrood=First)は、
その時代に生まれたガルフルード社製フェンレイシリーズの初期型の一機であり、
文明崩壊後も存在し続ける数少ない完全人工知能である。


そしてここでこれから語られる物語は、
彼女が一人の盗賊に遺跡から発見され、その従者となって6年後にアシュフェイルドで起こった、
彼女にとって最も激しく、
最も辛い思い出となった、
ある戦いの記録である。


しかしその前に、
彼女が生み出されてから文明が崩壊するまでをもう少し語らねばならない。
なぜならば、その忌まわしい出来事が、
6000年を経て尚消えることなく今に残り、その物語へと繋がるからである。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

どうにも夜勤週になると活動しにくくなります。
少しサボってましたね。

土曜の朝に帰宅したため、結局日記は間に合わず。
一回目は仕方がないのでここにアップすることにしました。

とはいえ、ちょっと編集しましたけどね。


以前にここで書きましたが。
元々フェンレイはオリジナルTRPGに参加してたときのキャラです。
まあ、今もこの世界観での集会所みたいなものもあるんですが。
そこではオリジナルだけでなくて、クトゥルフの呼び声なんかをやってました。
クトゥルフ好きが集まってたんですね。
なのでオリジナルも世界背景にクトゥルフネタが少し盛り込まれています。
オーサカとかの都市とか、ネタも多かったですが。

GMさんや他の方々の許可を得つつ。
2年前にオフで行なわれたものをフェンレイ視点で書いてみようと思っています。

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